GW真っ只中、暑くなりましたね!毎日Tシャツか半袖のポロシャツで過ごしています。とても爽やかですから、熱中症には罹りにくいと思います。前回お話しした通り熱中症は、高温だけでは罹りにくいですが、これから梅雨に向かい多湿になりますと、いよいよ熱中症に注意が必要です。
熱中症の予防対策は、労働衛生管理の四管理で賄え!と言われております。作業環境管理、作業管理、健康管理、労働衛生教育の四つの管理です。労働衛生管理とは、『あらゆる職業に従事する人々の肉体的、精神的及び社会的福祉を最高度に増進し、かつこれを維持させること。作業条件に基づく疾病を防止すること。健康に不利な諸条件から雇用労働者を保護すること。作業者の生理的、心理的特性に適応する作業環境にその作業者を配置する。以上を要約すれば、人間に対し仕事を適応させること、各人をして各自の仕事に対し、適応させるようにすること』
- 作業環境管理
- 作業管理
- 健康管理
- 労働衛生教育
- まとめ
作業環境管理
熱中症に対する作業環境管理とは、主として工学的な方法で作業環境中の種々の有害要因を取り除いて適正な作業環境を確保するもので、「環境」を改善することにより職場における作業者の健康障害を防止させるための対策です。
熱中症の危険を防止するには、
- WBGT値基準値を超え、または超えるおそれのある作業場所においては、発熱体と作業者の間に熱を遮ることのできる遮蔽物等を設けること。
- 屋外の高温多湿作業場所では、直射日光ならびに地面からの照り返しが防止できる簡易な屋根等を設けること。屋外の高温多湿作業場所では、直射日光ならびに地面からの照り返しが防止できる簡易な屋根等を設けること。
- 高温多湿作業場所に適切な通風又は冷房を行うための設備を設けること。(除湿機能があることが望ましい)
- 気象条件により熱中症の多発が予想された場合には「熱中症注意報」を作業所に発令する。
- 作業所では熱中症の発生のおそれのある場合は、朝礼等で作業員に注意を与えること。
冷房等の設備装置、休憩場所の整備等
- 製氷機等が備えられており、体を休めることができる広さを確保
- ミスト扇風機、シャワー等の設備を設ける
- 飲料水、スポーツドリンク、経口補水液等、熱中飴等を備えておくこと
作業管理
作業管理とは、作業方法の改善、作業時間管理、作業一休憩サイクルの設定、保護具の適切な使用など、「作業」自体を改善することにより暑熱ストレスが作業者に及ぼす要因(影響)を適切に管理して、作業者への暑熱負担を軽減することです。
- (1)休憩時間の確保 定時の休憩時間を早めたり、小休止(5分~10分程度)などを取り入れて体を休める時間をこまめに確保することが重要。
- (2)熱への順化 作業者を作業に従事させる場合には、熱への順化の有無は熱中症の発生リスクに大きく影響しますので計画的に熱への順化期間を設けることが必要
- (3)水分・塩分等の摂取とその確認 水分・塩分の摂取を確認するための表の作成、作業中の巡視における確認などにより、定期的な水分・塩分の摂取の徹底を図ることが必要
- (4)浸透性、通気性の良い服装等の着用 浸透性及び通気性の良い服装を着用させ、また人工的に身体を冷却する機能を持つ冷房服やアイスベストなどの着用も望ましい
- (5)作業場所の巡視 作業者の健康状態を確認し、熱中症を疑わせる兆候が表れた場合には速やかな作業の中断その他必要な措置を講ずるため、巡視を頻繁に行うことが必要
健康管理
健康管理とは、健康診断や健康測定を通じて「作業者」の健康状態を把握し、作業環境や作業内容との関連を検討することにより、作業者の健康障害を未然に防ぐことです。
作業者の健康状況の確認ポイント
- 1 風邪気味などの体調の確認
- ア 風邪気味ではないか
- イ 前日の飲酒量が多かったか
- ウ 朝食を摂ったか
- エ 寝不足ではないか
- 2 作業者の健康状態の確認
- 作業者同士で体調確認
- 入念な事前確認
- 3 身体の状態の確認
- A 1分間の心拍数が数分間継続して180から年齢を引いた値を超える場合
- B 休憩中体温が作業開始前の体温に戻っていない場合
- C 作業強度のピークの1分間当たり120以下に戻らない場合
- D 急激で激しい疲労感、悪心、めまい又は意識喪失等の症状が発症した場合
- 4 早期発見、早期に病院
- A 症状等で素人判断をしないこと
- B 近隣の病院と十分な連携を保つことが重要
労働衛生教育
- A 雇入れ教育
- B 新規入場者教育
- C 送り出し教育
まとめ
以上、4管理を実施できれば、殆どの熱中症を予防できると思うのですが、なかなか全てとなると厳しいですよね!企業で出来る事。個人で出来る事をチェックしてみては如何でしょう。例えば企業であれば、ミスト扇風機は用意できなかったけれども、休憩室は、いつも冷房が利いていて製氷機には、何時も沢山の氷を用意でき、飲料水、スポーツドリンク、経口補水液等、熱中飴等を備えておく、体を休めることができる広さを確保し、シャワー等の設備を設ける。あるいは、工程に余裕を持って、身体が暑さに順応するまで無理をさせない。休憩をこまめに取り(暑さが厳しいので、人数を増やして作業時間を短くし、休憩を長くとる。)水分塩分を摂る。アイスベストを準備し体を冷やす。空調服を準備する等々出来ることをやってみましょう。個人であれば、深酒を避け、十分に睡眠をとり必ず朝食を摂って作業場に向かう。風邪等具合が悪ければ、現場に行かない。身体が暑さになれるまで無理をしない。何時でも水分塩分が取れるよう準備する。
けして難し事ではないですよね!設備の準備が出来なくても、出来ることがいっぱいありますよ!
コメント欄にて色々と質問など書き込んで頂けると幸いです。
内容がおかしいとか、もっと災害の話が聞きたいとか、これってどうなの?
何でも構いません、コメントを頂けると、今後の励みになります。
コメントお待ちしております。
あなたがこの記事を読んで少しでも共感できる部分がありましたら、
ブックマークなどに入れてまたもう一度訪問して頂けると嬉しいです。
一緒に安全作業を楽しみましょう。
安全を好きになって下さい!
2022年5月9日 ブログ管理人:Autumn leaves (紅葉)
『怪我と弁当手前持ち』って知っていますか?
コメント