だから朝ご飯食べろって言ったでしょ! PART1

熱中症
  • 熱中症の発生原因
  • 熱中症の症状
  • 熱中症による労働災害発生状況
  • 熱中症の多発業種2016年から2020年の5年間
  • 2020年度の熱中症による死傷災害の特徴
  • 熱中症に係る災害調査で多く判明しているもの

桜も散り、早夏かと思わせる毎日と思っていたら急に寒くなって来たりで、猫の目のように変化する毎日ですね。昨日は、半袖だったのに、今朝は肌寒く暖房付けようなどと変な毎日を過ごしております。こんな気候の変化に体がついて行けずに風邪をひいてしまう方が多い季節ですね。私のようなお爺ちゃんは、季節の変わり目が一番キツイのですよ!

4月もゴールデンウィークを迎える頃から、みなさんは半袖シャツやTシャツで過ごす季節になって来ます。急に暑くなって身体が暑さに慣れないと、作業中に具合が悪くなり、それが、熱中症の最初なのですよ!

人間の体温は、36度前後ですよね、所謂平熱というやつですなぁ〜。この平熱を超えて来ると人間というのは素晴らしい機能からなっておりますので、熱くなって来た体を冷やすために汗が出てきて体の体温を下げるのです。汗がいっぱいでてきますと、体の水分が減ってきます。体から水分が無くなってくると汗がだんだんと出なくなり汗を作る器官が壊れてしまいます。汗が出なくなると体を冷やせませんので体内に熱を溜めてきます、体が熱くなり体の調子が悪くなり意識を無くしたり、或いは身体が痙攣を始めたりと具合が悪くなるのが、熱中症といことなのです。後ほど細かく説明します。

熱中症の発生原因

では、熱中症の発生原因を要因ごとに説明します。

環境の要因  

  1. 気温が高い 
  2. 湿気が高い 
  3. 放射熱が強い(直射日光あるいは周囲の地面や壁面からの照り返しが強い。周囲に発熱物体がある。)
  4. 風の有無(涼しい風がない。あるいは、熱風がある。) 

作業の要因

  1. 身体作業が強い(重量物を人力で運搬する。身体を激しく動かす。)
  2. 休憩時間が少ない(絶えず時間に追われて作業する)

                                      

衣服の要因 

  1. 通気性:浸透性の低い衣服を着用している
  2. 保温性:吸熱性の高い衣服を着用している
  3. 安全衛生保護具を着用している(保護帽、保護手袋、安全靴、呼吸用保護具等)

人材要因

  1. 暑さになれていない
  2. 水分、塩分の補給が不十分
  3. 下痢・脱水状態にある
  4. 病気を持っている(高血圧、心疾患、糖尿病、腎臓病、全身性皮膚疾患、精神疾患など) 
  5. 自律神経系に作用する薬物を服用している
  6. 肥満、運動不足
  7. 体調不良(睡眠不足、二日酔い、風邪気味、発熱など)
  8. 体力がない 
  9. 朝食を摂っていない
  10. 高年齢者である  

様々な要因から、熱中症が発生されます。

熱中症の症状

次に、熱中症の症状について説明します。

軽症【Ⅰ度】 

  1. 高年齢者である  
  2. 筋肉のコムラ返り、筋肉痛、筋肉の硬直(熱けいれん)
  3. 大量の発汗      

中等症【Ⅱ度】 

  1. 頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感
  2. 虚脱感(熱被はい、熱疲労) 

重症【Ⅲ度】 

  1. 意識障害・痙攣・手足の運動障害
  2. 高体温(熱射病、日射病)

熱けいれん:足や腕などに痛みを伴った痙攣がおこる。めまい・立ち眩み

熱疲労:慢性的な脱水によって筋肉や消化機能が低下することです。吐気・多量の発汗・ぐったりする

熱射病:体温が高くなっても汗が出なくなり、意識障害を生じて、死亡する恐れのある病態の事です。最も危険。言動がおかしい・意識障害がおこる・意識がない

次の症状が現れたら重症の熱中症を疑い、作業を速やかに中止して救急車を呼んで下さい。

  1. 体温が高い(38.5度以上)
  2. 皮膚が赤い、熱い、乾いている(まったく汗をかかない、触ると熱い)
  3. ズキンズキンとする頭痛がある
  4. めまいや吐き気がある
  5. 意識の障害がある(応答が異常である、呼びかけに反応がない)

以上の症状がなくても、本人が体調の異常を訴えたら素人判断せずに速やかに作業を中止して救急車を呼ぶのが望ましい

熱中症による労働災害発生状況

ちょっと古いデーターですが2011年から2020年までの熱中症による労働災害発生状況です。私が熱中症予防教育時に使っている資料から抜粋しました。

2018年以降熱中症による死傷者数が1000人前後と増えています。死亡者数は20人から30人を数えています。

熱中症の多発業種2016年から2020年の5年間

建設業、製造業、運送業と続きますが、死亡者数では、圧倒的に建設業が多く、製造業と続きます。

2020年度の熱中症による死傷災害の特徴

この特徴から見ますと、

  • ①に関しましては、暑さに体が慣れるのに大体1週間と言われています。この1週間を無理せず、段々と体を暑さに慣れさせると、熱中症の発症が減ってきます。
  • ②は、屋外だけでなく屋内作業でも、熱中症は沢山発生しているので、十分な対応が必要です。
  • ③特に高年齢者に多く熱中症発生しているのですが、やはり水分塩分の未摂取や体力に問題があると思います。
  • ④作業の内容によって保護服などによる熱中症の発生ですね。
  • ⑤対応の遅れは、やはり企業による教育の不足。発見の遅れは、一人作業が多いからでしょう。

熱中症に係る災害調査で多く判明しているもの

①起床時の水分未摂取は、夜中に汗をかいたにもかかわらず、水分を摂らなかったからです。熱中症になった方に確認しますと、殆どの人は、朝ご飯を食べていません。夏場は、暑く寝苦しく睡眠不足で朝食を摂る時間も無いと良く言うのですが、朝ご飯を摂取することで熱中症を防止が出来るのですが、ギリギリまで寝ていたいのでしょうね。ですから私は、朝食を摂るのがベストだけれども、どうしても時間がないのであれば、みそ汁だけでも飲むように言います。みそ汁は、塩分がありますので、熱中症予防には、最適です。②水だけの補給は禁止です、塩分もしっかりとらないと、コムラ返りを起こします。喉が渇いていなくても現場に出る前に、コップ1杯のスポーツドリンクを飲んでから仕事をするだけで、熱中症予防になります。③詰所などに戻らなくとも、どこでも水分と塩分が取れるよう準備しておきましょう。④人的要因にもありますように、既往症によって熱中症になりやすい方がいますので、健康診断での有所見者に対する事後措置対策は絶対に必要です。

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2022年4月16日 ブログ管理人:Autumn leaves (紅葉)

『怪我と弁当手前持ち』って知っていますか?

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