
- 作業手順書?
- 作業手順書の目的
- 作業手順書の効果
- 災害発生時での作業手順の役目
作業手順書?
某ゼネコンさんで、協力業者さんへの職長・安全衛生責任者教育を実施しましたら、自社の作業手順書を見たことがない受講者さんが、吃驚仰天52名中なんと49名の職長候補の方々がいらっしゃいました。
作業手順書を毎朝のTBM(ツールボックスミーティング)時に、本日の作業を手順書で確認を行っている方は、1名だけでした。
他の2名は、「見たことはあるけれども、作業前の確認には使用していない。」
もしかして、現場に作業手順書を協力業者さんは提出していないの?
早速、元請ゼネコンさんに確認しますと、
「各作業所では、必ず協力業者さんから作業手順書を提出させている。」って言うので、
「作業手順書は、誰が作成しているのですか?」と聞きますと、
「職長さんだと思いますよ!」と答えらえました。
これって、職長さんが作成し作業員に確認せず現場に提出しているのか?
或いは現場ごとの作業手順書事態作成されておらず作業標準書を提出?
作業標準書に協力業者の内勤者や担当者が加筆して提出しているのでは?
こちらの会社の現場に提出されている作業手順書を、私は確認していませんので、あくまでも憶測ですが、これから職長になる方々の殆どが見たことがないこの事実に愕然としてしまいました。
この十年、全産業の死亡災害は減少しています。平成27年には、初めて死亡者数が1,000人を割り一昨年は、802名にまで減少され、安全活動が推進されていると感じているのですが、実は、死傷病者数(休業4日以上)は、古いデーターがないので申し訳ないのですが、平成21年度(119.291人)以降毎年増加しており令和2年では(131.156人)と増加傾向にあり、令和3年では、死亡者数も死傷病者数も令和2年よりも増加している状況です。(決定人数がまだ出ておりませんので)とても不安です。
やはり、作業手順書の確認がない、或いは少ないのかもしれません。
「コロナ禍で会話が減り、注意もできない。」等と、
おっしゃる労務安全課長さんもいましたよ。
「いやいやそれは、詭弁ですよ!危険作業を注意できないなど、いくらコロナ禍で会話が減っても、危ないことを危ないと言えない会社は、本来言わなかったのでコロナ禍に託けているだけですよ!!」
作業手順書の目的
ではなぜ作業手順書作成が必要なのでしょうか?
作業手順の目的
- 誰がやっても基準通りできる
- 新入社員や未熟練作業員に早く仕事を教えられる
講習時に、私は受講者さんにこんな説明をします。
「みなさんが、北海道でも沖縄でも、日本全国どこへ行っても、マクドナルドの店員さんの対応は一緒ですよね。」
例えば、
『ようこそいらっしゃいませからはじまり、注文をすると注文を繰り返す、
次に、食べ物だけだと飲み物を勧められ、最後には商品を渡すときにありがとうございました。』と流れるように対応されますよね。
あれが作業手順ですよ。所謂マニュアルに沿った対応なのです。
つまりこのマニュアル通り対応すれば、お客様に対して良い印象と、
間違いのない対応が誰にでもできるという事なのです!
勿論最初から完璧にはできないかもしれませんが、流れが分かっているので
どこに気を付けるのかを理解しているので、慌てることもなく注文を取ることから、商品を渡すことができ、挨拶もできるのです。
ですから、作業手順の確認と皆さんに言うのです。
作業手順書の効果
では、建設業で、職長さんが作業手順書を使って、
作業員に指示する時の効果を箇条書きします!
- 早く、正しくわかる作業内容
- 作業の現状把握
- わかりやすい具体的な作業指示
- 無理なく実行
- わかりやすい適正配置
- ムリ、ムラ、ムダがはぶける
私は、職長さんたちに作業手順書作成するときは、作業員も参加させて行うよう指導しています。
一緒に作成することによって、作業員全員がこれから行う作業の、内容を理解するには一番です、まして現在はRA(リスクアセスメント)が入った
作業手順書の作成ですので、どの作業のどこに危険が潜んでいるか、危険な行動をしないよう確認や注意が出来ますし、朝のKY(危険予知活動)でレベルの高いKYが出来ます。
正直、現場で作業員のみなさんがKYを実施しているのを拝見しますと、
殆どの方が、
「躓き転倒 ⇒ 足元注意!」「梯子から墜落 ⇒ 手元足元注意」 ですよ。
例えば作業手順書からのRAKYでは、
「何々をしたとき~何々なり~何々なる」
「道具を持って梯子を登るとき、手が滑り墜落する。
⇒梯子を登るときは、荷物を持たず両手でしっかりとつかみ三点指示で登る。
荷物は、袋に入れロープで荷揚げする。」
全然違いますよね。
災害発生時での作業手順の役目
これ実は、結構大切なことなのです。
重大災害の発生時に労基署・警察の捜査の時に必ず、当日のKYやTBMの記録等、いろいろな書類のコピーや現物を持っていくことがあります。
警察は業務上過失致死傷罪、労基署は労働安全衛生法違反を探すのですが、
職長さんが毎朝実施するKY用紙に曖昧な指示を行っていれば、
「職長さんあなたを、業務上過失致死傷の疑い或いは、労働安全衛生法の違反で送検します。」って事になります。
当然、作業手順書を確認していない、知らないではすみませんよ!
マニュアル人間になれというのではありません。
作業中の注意事項がはっきりわかる作業手順書が必要なのです。
是非、作業手順書を必ず毎朝確認しましょう。
仲間で作業手順書を一緒に作成して下さい。
法律改正から職長教育では、作業手順書作成よりもリスクアセスメントに時間をかけているようですが、私は敢えて作業手順書の作成に重きを置いた講習を行います。リスクアセスメントは、かなり浸透しているのでいまさらという感じもありますので!
リスクアセスメントは、またの機会に話します。
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安全を好きになって下さい!
2022年2月6日 ブログ管理人:Autumn leaves (紅葉)
『怪我と弁当手前持ち』って知っていますか?
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