- 新入社員教育
- 女性施工管理技士
- 女性たちが多くなった建設現場
- 交流分析
- ボス・マネージメント
- 新入社員へ贈る言葉
新入社員教育
今年の四、五月は、何故か新入社員教育の依頼が沢山ありました。毎年依頼されている企業だけではなく、新たなゼネコンさんや専門業者さんと毎日のように、都内だけではなく日本中を伺ってまいりました。例年と今年の大きな違いは、建設業界に沢山の女性施工管理技士が新たに採用されている事です。以前ですと、設計希望者の女性が何名か入社されているのは認識していたのですが、施工を希望される方は、とても少なく新入社員(施工希望者)は殆どが男性社員でした。今年あるゼネコンでは、半数が女性社員でした。彼女たちに聞きますと、設計ではなく施工を最初から希望している方が圧倒的に多く、建設会社へ設計を希望しての入社は、とても少ない傾向がとても面白く感じました。
女性施工管理技士
私は、建設業界に女性が沢山進出する事に大賛成です。二十数年前に私が管理していた建設現場に初めて女性施工管理技士を迎えました。男社会の中へ、キュートで性格の明るくとても優秀な彼女がやってきました。彼女は物怖じせず誰とも同様な対応に、いつも苦虫を噛んだような顔している気難しい職人さんも、彼女に何かを頼まれると、何一つ文句も言わず「〇〇ちゃんに頼まれたら断れない」とデレデレでした。確かにとても可愛く性格も良いので、現場のアイドルですかね!職人さんたちの気持ちは、良く分かります。私自身も男性社員には、厳しく言う事も彼女には、優しく指示をしていました。まぁ〜自分の娘みたいなものですね。現場の受け入れ態勢は大変でしたね。先ず女性専用のトイレを事務所内に作り、女性達だけ(現場事務員や事務所の掃除等をお願いしていた女性逹)の更衣室を兼ねた休憩室も作りました。夜勤作業や深夜までの残業等は、させませんでした。とは言えできるだけ男性社員と同様に対応しました。現場は、明るくいつも以上に綺麗になったように感じたのは、私だけではないと思います。男だ女だと言う時代ではありませんね。ただ入社時は、白魚のような指がガサガサになっているのを見た時は、申し訳ないと思いました。私の妻も、我が家の娘とでも思っていたのか、良く自宅へ食事に来るよう誘い、おしゃべりを楽しんでいました。妻曰く、「大切なお嬢さんをお預かりしているのだから辛い思いや、悲しい思いをさせてはいけない。」と!
女性たちが多くなった建設現場
その後数年、現場施工で頑張っていた彼女でしたが、結婚を機に現場から内勤に、そして妊娠出産を迎えるときには、残念ながら退職をしてしまいました。今の時代のように企業や国、自治体が、出産後も職場復帰できる体制や法律がない時代でしたから、残念にも仕事を続けられなかったのですね。妻とは、今もお付き合いを続けています。今では二人のお子さんのいる優しいお母さんになっています。時代は変わり女性逹が建設現場に沢山進出してきています。昨年、某企業の工場で大型の定修工事があり統括管理を依頼されました。約3ヶ月間の工事に約30社が施工するかなり大きな工事で、全体の統括管理を願われ工場に赴きました。毎日約300〜1,000人が作業を行っていました。そこに女性だけの10名位のグループが、全員がお揃いの真っ白い上下の作業着(流行の伸びるホワイトジーンズ)胸には、会社名がピンクの糸で刺繍され背中にも会社名をピンク色の糸で刺繍されています。安全靴もお揃いのスニーカータイプ、ヘルメットも真っ白にピンクで会社名が入っており、お揃いの真っ赤なフルハーネス(藤井電工の小町)を着装し、溶接作業等を行っているのです。現場巡視の際に彼女逹に話しかけました「いや〜皆さんカッコいいですね〜」職長さんの女性が「ありがとう御座います。私たちはカッコいいのを目指しています。」と!「カッコいいをですか?」と聞き返しましたら、「子供逹がママ、カッコいいと言ってくれるのが嬉しいのですよ!」「結婚されているのですか?」「ハイ、メンバーの殆どが結婚していて、何人かは子供いますよ!」「結婚もされて、お子さんもいらっしゃるの、凄いな!」「ハイ、パパも職人です!」確かに私が実施する講習にも沢山の女性が参加されています。建設業界も、管理監督者だけではなく、職人さんも女性が増えてきているのですね。高所作業でも危険作業でも重機作業でも女性が進出しているのですね。先日、舞台装置の会社でフルハーネス特別教育を実施しましたら、受講者の殆どが女性でした。重い機材やコードを運んでいるの見ましたら、男女均等を強く感じます。結婚や妊娠子育てを経ても、いつまでも女性逹が現場で会社内で働き続けると良いですね!
交流分析
毎年、新入社員を見ますと会社の色と言いますか、雰囲気なのでしょうか、なんとなく感じの似た社員が多い気がします。企業に合った社員を採用するからでしょうね!私は、講義の中で、性格診断「交流分析」エコグラムチェックを行います。「交流分析」とは、自分自身の人間関係やコミュニケーションの傾向を知り、対人関係の問題を解消したり、トラブルを回避したりするための心理療法のことです。 人と関わるときの思考や感情、行動のクセや傾向を「自我状態」と定義し、診断することで自身の性格傾向を把握できます。 また、自分自身や他人に対する態度の傾向を「人生態度」と定義し、自身のタイプを知ることでコミュニケーションの改善を図れるようになるというものです。人の性格は、大体4~5歳で形成されると言われており、養育者の影響が大きくかかわるとされ、成人された方の性格を変えることは、とても難しいことです。自分の性格を理解していれば、対人関係の問題解決につながると思います。このエコグラムチェックを新入社員にしますと、似通った性格の方が多く見受けられるのは、企業の色なのではと感じます。私が建設会社にいた頃は、どちらかと言いますと、個性の強い方が多かったのですが、最近の新入社員達は、あまり相手と揉めないで、自分の意見よりも相手の意見を尊重し自分の感情を抑え周囲に協調的で寛容強く、相手に頼る、依存する傾向がある方が非常に多く感じます。 日本人は、自分が自分がと言う方よりも、控えめで周りと揉めるのを嫌がる方が多いですからね!
ボス・マネージメント
もうひとつ教育するのが、「ボス・マネージメント」米国では高業績者(ハイパフォーマー)の行動の特徴が研究され、できる部下ほど上司の使い方(手法)が上手かった。この手法を上司の使い方をボス・マネジメントといい、米国では、NBAのカリキュラムにある。部下は上司という無料のツールを活用して自分の努力が報われるようにする手法です。日本は他国と比べると上司を嫌う国です。しかし日本人でも高業績者は、知らぬ間に「ボス・マネジメント」を実践しているのです。
上司の機能は、
- トラブルシューター トラブルの処理・謝罪役
- スタンパー GOサインを出してくれる人、お墨付き
- ハイパー・プロフェッショナル 無料でノウハウを教えてくれる師匠
- アセッサー 部下の仕事の成果や能力を評価する人
- キャリアコーチ 「こうなりたい」という部下の願いをかなえるための相談役
- コ・ワーカー 出来ない仕事を部下の代わりにやってくれるパートナー
- ネットワーカー 仕事上、必要な人脈を紹介してくれる
以上を如何に上手く活用し自分を高める事を、伝えます。
新入社員へ贈る言葉
そして最後に、皆さんにお願いをします。先ず入社した会社を好きになって欲しいと伝えます。私は縁を大切にします。縁によって折角苦労し入社した会社、皆さんを選んだ会社を好きになって気持ちよく仕事して頂きたい。次に、同期社員は大切な仲間、一生を通しての仲間であるので、助け合おう。困った時、助け合えるのは、同期社員です。仲間を大切に!!そして、最後は、絶対に怪我をしてはいけない、管理監督者になる皆さんは、作業員も怪我をせてはいけない大切な家族を哀しませ、心配させてはいけないと伝えます。私の友人の労働災害の話を伝えると、新入社員の方々は、一言もしゃべれなくなってしまう、現実の災害の怖さを知っていただきたく、私のような経験をされないようお願いをするのです。将来会社を背負っていく有望なフレッシュマンたちへ、私は伝えます。私にとって、皆さんは、私の大切な仲間、息子、娘です。良い人生を歩んでほしい、その為には、仲間を大切に、怪我をせず、させず、会社を愛せと!
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一緒に安全作業を楽しみましょう。
安全を好きになって下さい!
2022年5月18日 ブログ管理人:Autumn leaves (紅葉)
『怪我と弁当手前持ち』って知っていますか?
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