- 手袋は巻き込まれるから
- キックバック
- 丸のこ等切断作業の方法
- 作業の方法
- まとめ
手袋は巻き込まれるから
丸のこ等取扱作業では、手袋(軍手)を嵌めての作業を禁止しています。にもかかわらず丸のこ作業で、手袋を嵌めて作業する方が沢山います。
過去に手袋を嵌めた丸のこ災害を何件も経験しています。何で手袋するのか?
「素手だと、怖いので。」素手だと怖いから手袋をするのは、何度も間違いと言っているのに、実際作業する時に、回転する歯に恐怖を感じるようです。
大工さん達は、絶対に手袋を嵌めて作業をしません。巻き込まれる怖さを知っているので手袋を取って素手で作業します。普段あまり丸ノコを使わない方が、手袋をしたまま作業をするので、災害を発生する方が多いのです。
丸のこの回転数から時速計算してみましょう、例として、
1分間に5500rpmの丸ノコは、1時間当たり330,000回転。 ノコ刃が外径180ミリだと外周は565.2ミリ。キロメートルに直すと0.0005652Km。1時間当たり330,000回転×0.0005652Km=186.516Km/h となるので電動ノコは時速186Kmで回転する可能性があります
これは空転ですから、物を切っているときは、回転数が減ります。しかし時速186Kmは、滅茶苦茶速いですよ、ですから普段丸のこを使わない方は、怖がって手袋をするのかもしれませんね!
キックバック
丸のこは、手袋の巻き込まれ災害の他に、キックバクからの災害が多いです。キックバックとは、板等を切断しているときに切断物のたわみで、歯が挟まり反撥す時の状態でとても危険ですので、丸ノコ作業では、丸ノコの延長線上前後には、立ち入ってはいけません。歯の出し過ぎは危ないですよ。キックバックする状況の動画を貼り付けますのでご確認下さい。
マキタ5332C。丸ノコのキックバック。初心者DIY、安全に使おう。 – YouTube
キックバックでの怪我は、酷かったですよ。土工事で土止め用の横矢板を丸のこを使って狭い場所で切断していた時に、キックバックを起こして右大腿部内側に接触し傷を負ったのですが、丸のこの歯は、ご存じの通りギザギザですよね、それが身体に触れて切創すると、カッター等での切創と違い傷口がグチャグチャになり、縫合も大変です。傷がふさがるにも時間がかかります。そして大腿部には、太い血管(動脈・静脈)がありますので、傷の場所が悪ければ、大量出血から死亡も考えられます。
キックバック対策動画を貼り付けますのでご参考にして下さい。
【拡散希望】丸ノコのキックバック対策『完全版』!死亡事故ニュースからの教訓! – YouTube
因みに、グラインダーですとキックバック防止用機能搭載モデルもあります。
安全第一 ボッシュ電動工具 キックバック防止機構 – YouTube
製造工場では、キックバック防止機能搭載以外の持ち込みを禁止しているところもありますよ。
安全カバーを固定し歯を出し安全装置を機能させない方がいます。楔などで安全カバーを固定するので見るからに危険を感じます。
丸のこ等切断作業の方法
丸のこ等切断作業の方法
丸のこで材料等を切断する時の留意事項
切断時には、作業に合った姿勢をとってから作業にとりかかり、また、丸のこ前後ののこ道には、絶対に手や足を出さないようにする。
(1) 安定した受け台・加工台等の上で、適正な姿勢で丸のこを使用する。
【留意事項】
① 平らな床面に適切に支持する(受け台・加工台)を置き、材料をのせ、動かないように手で押さえる。
② のこ歯に引っ掛り、巻き込まれない位置、作業姿勢で作業する。
③ のこ歯の回転が停止した後で床面に置く。
④ 切断時は、のこ歯のひねりが生じないように、のこ歯から目をそらさないようにする。
(2) できるだけ軍手等の巻き込まれやすいものは着用しない。
(3) 幅の狭い板や小さい部材を切断する時には、部材を押さえる手がのこ歯に接触する危険がある。
作業の方法
作業の方法
(1) 横引き加工
切断材料を安定した受け台・加工台上に置き、固定して切断する。
【留意事項】 材料を手に持って切断を行うと反発を起こし危険。
(2) 小物材の切断
小物材は、クランプ等(バイス・万力)で、しっかり固定して切断。
【留意事項】
小物材を手だけで支えて切断を行うと反発をおこし危険である。
(3) 縦引きの切断
長い材料を縦引き切断する時には、材料を受け台・加工台の上に水平状態を保ち確実に固定する。
【留意事項】
① 切断する長さが長いので、切断中に材料が動くとひき曲がり等により、丸のこ身が挟まれる状態になり、丸のこが反撥する。
② 丸のこは、片手で持って切断すると不安定になるので危険。
4) 長尺材や幅広材の切断
長尺材や幅の広い材料を切断するときは、材料の長さや幅に 合った受け台・加工台で支持し、切断中に材料がたわんだり、動かないように固定する。
【留意事項】
① 切り落とし寸前や切断途中に材料のねじれ、重み等で丸のこ 身が挟みつけられないように、切断部近くにも左右の材料が水平を保つために支持するもの(受け台・加工台)を置く。
以上を、留意し守っていただければ、丸のこ接触災害を防げると思いますよ。
まとめ
便利な物、簡単な機械ほど慣れてくるとケガをします。ベテラン大工さんが私にこんな事を言ってました。
「俺たち大工は、丸ノコの危険をよく知っているので、絶対に左手で木片をもって、右手に丸のこを持ち空中で切断するような馬鹿(危険)な事はしない、一寸丸のこに慣れてきた、大七だか大八が、こんな馬鹿(危険)な事をする。大工は、やらないよ!」
所謂、俄か大工(ダイク)さん、大七(ダイシチ)、大八(ダイハチ)と違って、本当の職人の大工さんは、危険なことはしないと、言っていて、自分は、そんな半端な職人じゃないと、言外に伝えていたのかもしれません。大工さんの矜持ですかね!!
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2022年3月25日 ブログ管理人:Autumn leaves (紅葉)
『怪我と弁当手前持ち』って知っていますか?
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