エッ!!フルハーネス使ってはいけないの?
- メールが届きました
- メーカーと一緒に講義はしない
- フルハーネスは高いけれども
- リスクアセスメント低減措置
- まとめ

メールが届きました
私の元にメールが届きました。
厚生労働省より、
「規格不適合の墜落制止用器具の使用中止と回収について」が公表される。
厚生労働省は、高所作業等の際に使用が義務づけられている墜落制止用器具の安全性を確保するため、販売されている製品の構造、性能、強度等を試験する、買い取り試験を実施しています。
その結果、墜落制止用器具の一部製品に、構造、性能、強度等が国家規格で定める要件を満たしていないものがあることが判明しました。厚生労働省は、国家規格で定める要件を満たしていない製品を所有者が使用した場合、安全への影響を生じるおそれがあることから、販売者に対して当該製品の回収を要請するとともに、使用を中止するよう広く注意喚起を行うため、ウェブサイトでその事実を公表したものです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000901111.pdf
フルハーネス型・ランヤード 17種類
胴ベルト型 6種類
販売元に中国、韓国、日本等でインタネットを使って販売されているようです。
メーカーと一緒に講義はしない
2018年6月に法律で、6.75m以上(建設業では5m以上)の高さでは、フルーハーネス型墜落制止用器具の使用を義務付けられ、2019年2月1日より法が施行されました
2018年の10月からフルハーネスの特別教育を、私は始めたのですが、当時各メーカーや販売元が講習に参加を希望してきました。
彼らは、講習会場の一部にブースを作り、講習終了後に、販売活動を行うためです。
「ブログの理念」でも書きましたが、私は安全の講義にお金が絡むことを良しとしません。
しかし、出張講習に伺う企業で、直接メーカーを呼ぶこともありましたので、彼らを紹介されることもありましたが、
「申し訳ないのですが、私は、どこのハーネスが良いという話はしません。但し、不都合があるハーネスに関しては、参考として話します。御社のハーネスが関係するかは、分かりませんので、承知おき下さい。」と。
安全の為に、法が変わると関係企業に利益が上がるのは、承知していますが、私の目の前での販売活動は、お断りしておりました。あくまでも、私の講義が終了してからは、構わない旨を営業の方々に理解していただき、講義中では、メーカーさんの話はしません。これは、今も続けています。
2019年1月に新規格が、発表されてからは、メーカーさんの参加希望は凄かったと記憶しています。当時は、フルハーネス型の生産が間に合わず、殆どが半年先の納入でした、2022年1月1日までは旧規格の墜落制止用器具(フルハーネス型、胴ベルト型)使用が出来ましたので、慌てなくても大丈夫だったのにね!日本人は直ぐ飛びつくよね。今年の1月2日以降は、駄目ですよ、もし使っていた場合は、法違反になりますので、旧規格品は、処分して下さい。
購入を希望される皆さんは、先ず、新規格適合であるか、JIS規格適合かを確認してから、自身の仕事に如何に使い易く、便利であるかを考え、実際に着用してから購入を考えて下さい。フルーハーネスは高額ですから、より良い物を選んで下さい。
国家規格で定める要件を満たしていない製品、23種類の墜落製使用器具(フルハーネス型、胴ベルト型)を私自身は、見たことも使ったこともありませんが、多分安価なのではないかと思います。
フルハーネスは高いけれども
講義の中で、受講者にこんな話をします。
「皆さんは、年間いくら稼ぎますか?職人さんは稼ぎが良いから、若い方でも300~500万以上かな?ベテランさんになれば800万以上、1000万以上の方も当然いるでしょう。
では、もう一つ質問します。
皆さんの命は、いくらだと思いますか?」
皆さん黙っています。
「20代の若者が、年収300万円としましょう。何年働くのですか?
40年?50年?300万円40年でいくらですか?1億2000万円ではありませんよ、給料は上がりますよ。2億円から3億円を一生通して稼ぐのですよ。
そんなに稼ぐ皆さんが、例え7万円~10万円と高額なフルハーネスでも、皆さんの命を守ってくれるのでしたら、こんなに安いものはないと思いませんか?だから良いものを選んで下さい。良いものとは、高額の事を言っているのではありませんよ、皆さんが仕事で最も使い易く、最も安全な物を良い物と、私は思います。値段は、高くなくても使いやくす、安全性が高いのであれば、それが良いものだと思います。良い物を選びましょう!人の命はお金では買えませんが、安全を守る保護具は買えます、でもねちゃんと装着し使用しなければ意味はありませんよ。」

リスクアセスメント低減措置
「高いところで作業しなければ、墜落災害はありません。
ですから、リスクアセスメントの低減措置(対策)では、
1.法令に定められた事項を確実に実施 (該当事項がある場合)
2.危険な作業の廃止・変更、より危険性または有害性の低い材料への代替等
3.工学的対策 (インターロック、局所排気装置の設置等)
4.管理体制 (マニュアルの整備、立入禁止措置、教育、訓練、暴露管理等)
5.個人用保護具の使用
と、なっています。
高所作業でのリスクアセスメントの低減対策では、
先ず、法を守っているか。⇒ 法を知り法を守ることが大切です。
そして次に考えることが、高所作業自体を無くせないかを考えます、或いは工法を変えてみる。
足場であれば、無足場工法の採用、大組、大払しによる高所作業除去・低減。
それが出来ないのであれば、次に手摺先行工法は据置型とする先送りかたの手摺先行工法を採用する。
これも難しのであれば、枠組足場組立ての安全な作業手順書を作成し、作業員に周知徹底を図る。
そして、フルハーネス型墜落制止用器具の着装と完全使用での作業を行うのです。
と、なります。最初から、保護具に頼ることを考えるのではなく、上記の順で対策を立て実行することが、安全の考え方であり、対策は、二重三重に行うことにより災害を未然に防ぐのです。」
まとめ
フルハーネスの値段の話からリスクアセスメントと私は進めていくのですが、ともかく落ちないこと、
もし落ちても体に良い保護具を使うことを話します。
一生に自分がいくら稼ぐのかを考えると、災害を起こしてはいけないと気付いて頂き、安全作業と保護具の使用がいかに大切かを感じてもらえるのが一番です。
コメント欄にて色々と質問など書き込んで頂けると幸いです。
内容がおかしいとか、もっと災害の話が聞きたいとか、これってどうなの?
何でも構いません、コメントを頂けると、今後の励みになります。
コメントお待ちしております。
あなたがこの記事を読んで少しでも共感できる部分がありましたら、
ブックマークなどに入れてまたもう一度訪問して頂けると嬉しいです。
一緒に安全作業を楽しみましょう。
安全を好きになって下さい!
2022年3月5日 ブログ管理人:Autumn leaves (紅葉)
『怪我と弁当手前持ち』って知っていますか?
コメント
本日は、オンライン フルハーネス講習ありがとうございました。
雑談ふまえの講習がすごい参考になり頭に、はいりました。笑笑
僕の仕事は、電気設備工事業をしております、フルハーネスの講習を思い出して現場で事故ださないように頑張っていきますね。本日は、ありがとうございました。また機会がある時は、よろしくお願い致します。
岡本様
コメントを頂き、ありがとうございました。
オンラインですと、伝えきれなかった事も多々あると思いますが、少しでも安全に気付いていただければ、幸いです。今後、安全活動等で疑問などありましたら、いつでもコメント欄に質問して頂ければ、お答えしますので宜しくお願い致します。